17 その胸に刻むは…
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「お断りだよ」
「紫季と共にいられるのにか?」
マジでムカつく。人の神経を逆なでするというか……甘い汁を飲ませようとするところとか。こうやって上手くルークも飼い慣らしたって事か。私の弱点を分かってる。それでも私は行けない。
「言ったでしょ?私はマルクト帝国第三師団副師団長補佐……あんたの元になんかいかないよ!」
再び斬り込みに行く。周りが揺れ始め、何やらヤバい予感はするけど、目の前のコイツをまずは捕らえなければならない。一体何が目的で動いているのかを把握しなくちゃ。が、そんなに簡単に行くほど甘い相手ではなかった。
「…くっ!」
私の打ち込みはヴァンが軽く剣を払っただけで弾き返された。その時にヴァンの剣が私の腕を掠めた。インナーを切り裂き白のグローブは朱に染まった。
「さあ、どうする?」
今の私では奴に敵わないってことか。でも今は勝つ必要はない。私がするべきは時間稼ぎだ。けど……斬られた腕は利き腕である右腕。たださえ敵わないのに、これじゃ時間稼ぎもままならないかもしれない。
「紫鶴!」
「くそっ!間に合わなかった!」
声とともに飛び込んできたのはジェイドとアッシュ。その後ろにティアと……紫季。
「アッシュ!紫季!何故ここにいる!来るなと行ったはずだ!」
更に後ろにはアニスとガイ。ここに来てヴァンが初めて焦りを見せた。
「……残念だったな。俺だけじゃない。あんたが助けようとした妹も連れてきてやったぜ」
強ばった顔のヴァンにしてやったりとニッと笑うアッシュ。が、ヴァンが指笛を吹くと鳥型の魔物が三体現れた。ヴァンはそれに飛び乗り、アッシュは嘴で腕を銜えられ、紫季は肩を爪で掴まれ上空へと上っていく。