17 その胸に刻むは…
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「……間に合えっ!」
何に?何が?理由は分からないけど急がなくちゃいけない。あのジェイドがあんなに焦ってた。ほんとは紫季に話したいこともたくさんあったけど…でも今はルークとイオンを探さなきゃいけない。だから……あとでゆっくり話せばいい。
「ああもう!何でをこんなに広いのよ!?」
中に入って下れば更に奥への入り口が見える。ここに来るまでは一本道……だけどルークたちの姿は見当たらない。二人だけでこんなところに来るとは思えないけど。今はともかく二人を探さなくては。螺旋の通路を下るのも面倒だけどさすがに飛び降りるには高すぎる。舌打ちをしながら下っていけば下の方に見える赤と緑……そしてもう一つ。
「……この声……ヴァン?」
話し声がする。下りながら様子を窺えば、何か光る柱のような物の前にルークとヴァンの姿。その少し後ろにイオンとミュウ。ルークは柱に向かって手を突きだしている。
「ーーッ!」
一気に駆け抜ける寒気。何か悪いことが起こる前触れのような、そんな寒気が背中を走った。急がなければ……それだけが頭の中を支配する。
「ルークっ!!」
「さあ……『愚かなレプリカルーク』。力を解放するのだ!」
下へと降りきり、ルークの名を叫ぶと同時にヴァンが何かを叫んだ。まるで呪文のように。そしてヴァンの言葉が合図となったのかルークの手から放たれたと思われる光が目の前の柱がパリンっといった。
「イオン!ミュウ!」
間に合わなかったのか?そんな疑問もチラつかせるなか、視界の端に入ったのは倒れて気を失っているイオンとミュウの姿。側に駆け寄り様子を見るとただ気を失っているだけみたいで安心した。けど一体何があったのか……そんなものは分からない。が、この事態の原因は目の前で笑っているあの男だと言うことだけは分かった。