17 その胸に刻むは…
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「しっかりして下さい」
奥へとやってきた私たちが見たのは上で見た光景とは比べものにならないほど光景が広がっていた。更に満ちた瘴気。これを惨劇と言わず何を惨劇というのか、それほど酷い状態が多数の人々が倒れていた。
「……おかしい。先遣隊の姿がない」
「来た形跡も見られないね……誰一人助けてないみたい」
辺りを見回してもヴァンの姿も先遣隊の姿もない。いるのは瘴気によって倒れている住民のみ。
「ともかく、住民の救助を優先しようよ。他の様子を見に行ってるかもしれないし」
「そうですね」
それぞれ散開して怪我人や瘴気に当てられた人の手当に走る。チラリとルークを見るとまた頭に手を当ててしゃがみ込んでいた。こんな時に後遺症とかいう頭痛が起きるなんて。今は一人でも多くの手が欲しいのに……ダメか。上での事を思い出すならルークは動かない。辛い思いをしている人を汚いとか伝染るとか言うくらいだし。
「大丈夫ですか?」
倒れる人を抱き起こし、薬を飲ませる。今の段階じゃ気休めかもしれないけど、少しでも動けるようになれば救助するのも楽になる。動ける人が一人でも多く欲しいから。
「紫鶴」
何人かに薬を処方したところに違うところにいたジェイドが側に寄る。なに?と立ち上がると、ジェイドの後ろにはイオンの姿。何かあったのかと問うと二人で奥の様子を見に行くという。ここをお願いしますと言うから分かったと了承の返事をしよう口を開いたときだった。上の方から何か声が聞こえたのは。
「……上の様子がおかしい。見てきます。イオン様をお願いしますね」
「気をつけてね」
お願いされたのはいいけどどうしようかと思っているとイオンはルークの元にいると言うからルークのお守りをお願いした。体の弱いイオンに無理はさせたくないし、ルークは役に立たないだろうからちょうどいいとこの時は思った。