17 その胸に刻むは…
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「紫鶴、どうかしましたか?」
「…ん?ああ、ジェイドか」
少々考えに更けていると頭の上からの声。素っ気ない返事に不満そうにああ、じゃないでしょう。と頭をぽんと叩く。
「ごめんごめん……ちょっと考え事してた」
さっき……パイロープさんと話をしていたとき見た男の子を思い出した。こんな小さい子までこんな所にいる…も、そうなんだけどお父さんと息子が仲良さげにしている姿が昔の記憶に重なった。幸せだったあのころの記憶。
「昔を思い出してただけ……落ち着いたらちゃんと話すよ」
「…ええ」
うーん、紫季との再会以来どうも心配させっぱなしだな。ジェイドですらこうなのにこれでピオニーとアスランがいたらゾッとするよ。そんなん考えながら歩いていると坑道の入り口に着いた。
「グランツ響長ですね!」
坑道に入ろうする私たちに声を掛けたきたのは一人の神託の盾兵。モースに第七譜石の件を知らせたと……その言葉の意味がすぐには理解できず当のティアを見る。
「第七譜石?まさか発見されたのですか!」
「はい。ただ真偽のほどは掘り出してみないと何とも……」
モースがティアに同行された理由はこれか。にしても導師であるイオンが知らないなんてね。何を考えてるんだか……悪い予感が当たらなきゃいいけど。
「ティア。あなたは第七譜石を確認して下さい。僕はルークたちと先遣隊を追います」
「わかりました。この村の皆さんをお願いします」
驚きを隠せないでいたイオンだけど、ティアに向き直り第七譜石の確認に行くように言う。どうして考えるなら確かにそれが正しい判断だ。まぁこの救援活動が終わったらこの街は封鎖される。そうしたら掘り出すことも出来ないだろう。
「んじゃ、私たちは奥に行こうか」
ティアを見送り、ヴァンがいると思われる坑道の方へと再び足を進めた。この後あんな事が起こるなんて誰も思いはしなかった。