17 その胸に刻むは…
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「こ……これは……」
「想像以上ですね……」
アクゼリュスに到着するや否や目の当たりにした光景に眉を顰めるしかなかった。街に入ると問題の瘴気は充満していて、街の住民たちは呻き声を上げながら倒れている。動ける人間も顔色は悪い。こんな所に長い間いたら死んでしまう。
「ナタリア?」
誰もがその状況に目を奪われているなか、ナタリアが駆け出した。近くに倒れている人に治療を始めるナタリアにここに来た目的を思い出させられた。
「お、おい、ナタリア。汚ねぇからやめろよ。伝染るかもしれないぞ」
「……何が汚いの?何が伝染るの!馬鹿なこと仰らないで!」
治療を始めるナタリアに何とも愚劣な言葉を投げかけた。信じられないといった表情で彼女はルークを睨みつけた。やはり温室育ちのお坊ちゃんなんだ。この光景を目の当たりにして出る言葉は思えない。
「大丈夫ですか?」
ナタリアに怒鳴られ呆けるルークは放っておき、私たちは他に倒れる人たちに薬を飲ませていく。ここに遊びに来たわけではない。まずは動けない住民に治療を施し、先遣隊や動ける住民とで街の外へと運び出す。
「あんたたちキムラスカ側から来たのかい?」
一人手持ち無沙汰にしているルークに話しかけてきたのは恰幅のいい男性。しどろもどろしているとナタリアがすぐに立ち上がり名を明かし、ピオニーの要請できたと説明する。
「ああ!グランツさんって人から話は聞いています。自分はパイロープです」
坑道の現場監督らしいんだけど村長が倒れてしまったため代理で雑務を行っているという。
「グランツ謡将と救助隊は?」
「グランツさんなら坑道の奥でさぁ。あっちで倒れてる仲間を助けて下さってます」
パイロープさんが奥の方を指差し、そこにヴァンがいると言う。私たちもヴァンの元へ行こうという事で奥へと足を進めた。