17 その胸に刻むは…
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「フォミクリーのことか?知ってどうなる?采は投げられたのだ。死霊使いジェイド!」
ジェイドは手中に槍を出しそれを投げつけようとしたけどそれより先にリグレットは閃光弾か何かを投げつけた。辺り一面に広がった光が消えたときにはリグレットの姿はなかった。
「……くっ。冗談ではない」
「ジェイド……」
掛ける言葉が見つからない。こんな取り乱したジェイドは初めて見た。怒るところとか驚くところは驚愕するほどまでは見たことがなかった。感情を剥き出しにするジェイドなんて……初めて見た。
「大佐……珍しく本気で怒ってますね……」
「……うん、私も…初めて見たよ」
これにはみんなも驚きが隠せないみたいだ。いつでも余裕を見せるジェイドが取り乱し、怒りを露わにする姿なんて。私も初めて見たと言えばアニスがへっ?紫鶴も!?と声を上げた。こんな風な怒り方をしたのは初めて見たよ。と笑うに笑えない風に言うとアニスは生唾を飲み込んだ。一番近くにいる筈の私ですら見たことがないというのだから仕方ないのかもしれないけど。
「ーー失礼、取り乱しました。もう……大丈夫です。アクゼリュスへと急ぎましょう」
眼鏡に一度手を置き直す素振りを見せた後、踵とを返し先を歩きだした。その後を私は追いかける。掛ける言葉なんてないのに、ないのにこのまま放っておけなくて。
「あなたまでそんな顔をしなくてもいいですよ」
「えっ?」
声を掛けられずにいればジェイドは私の肩に手を置く。そんな顔……どんな表情を浮かべてたのだろう。少し困ったような笑みを浮かべるジェイドはさっきのような重たい雰囲気はなかった。
その後、アクゼリュスに到着するまで特に何も話さずにいた。様子のおかしかったルークはそれに輪を掛けて機嫌が悪くなり場の空気まで悪くした。