17 その胸に刻むは…
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「止まれ!」
このキツイ峠ももう出口にさしかかるとルークの足元に銃弾が撃ち込まれた。警戒をしながら銃弾が飛んできた方向を見れば崖の上に六神将のリグレットの姿。
「ティア。何故そんな奴らといつまでも行動を共にしている」
「モース様のご命令です。教官こそ、どうしてイオン様をさらってセフィロトを回っているんですか!」
この状況で真っ先にティアって……ヴァンの妹だから。にしてもなんか引っかかる。
「人間の意志と自由を勝ち取るためだ」
意志と自由?この意味が分からず全員で首を傾げる。さすればこの世界は預言に支配されている。何もかも預言に従って生きるのはおかしいとリグレットは言う。イオンは預言は正しく進むための道具に過ぎないと。みんなそれが参考になる当たり前だと言う。
「……結局の所、預言に頼るのは楽な生き方なんですよ。もっともユリアの預言以外は曖昧で、詠み解くのが大変なんですがね」
「そいうことだ。この世界は狂っている。誰かが変えなくてはならないのだ……ティア!私たちと共に来なさい」
ジェイドの言うとおり預言に頼るのは楽な生き方。余計なことを考えなければ誰もが幸せになれる。けど……私はリグレットの言いたいことも分かる。
「私はまだ兄を疑っています。あなたは兄の忠実な片腕。兄への疑いが晴れるまでは、あなたと元へは戻れません」
元々、ヴァンを討ちに来たティアは首を振ってしっかりと意志を見せる。そんな彼女を見ていたリグレットがふいに私を見た。
「紫鶴……お前には分かるだろう?」
「ーーっ!?」
声音を低くして問う。分かる……そう口にしそうになったけど前回の一件があるからみんなの前では下手なことは言えない。
「言ってる意味が分かんない」
今言える精一杯。こんなの無意味だと分かっている。でも何も言わないのは肯定の証。