17 その胸に刻むは…
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「おかしいな。ケセドニアを離れたらすっかり痛みがひいたわ」
「なんだよ。心配させやがって」
翌日、マルクト領事館へ訪れた私たち。そこでガイがいきなり膝を着き、心配して駆け寄ったルークを腕を振って払った。まるで昨日のルークみたいなその様子におかしいと思ったジェイドがガイの腕を見れば、妙な傷が出来ていた。それは『カースロット』と呼ばれるダアト式譜術だとか。
人を操る術らしく、術者がとの距離で威力も変わるとのことで私たちは急いでケセドニアを後にした。
「じゃあやっぱり、カースロットの術者はケセドニアの辺りにいたのね」
「よかったですわね、ガイ。早めにケセドニアを出て」
素直じゃないルークに悪い悪い、と平謝りするガイにティアとナタリアも安堵の息を吐く。
「私も受けた気がしたけど何もなかったね」
「紫鶴が受けたのを知らないのでは?」
うーん、と唸る私にイオンが気付いていないから術をかけてこなかったのではと言う。けど、シンクが気づかないわけがないと思うんだけど……気のせいかな。私の考えすぎかなぁ……ダメだ。あれ以来、何か変だ。
「そういや、ここからアクゼリュスってどう行くんだ?」
「北東のデオ山脈を越えた先ですね」
その後、船は何事もなくカイツールへと辿り着いた。カイツールに着いたのはいいけどどう行けばいいのか分からないルークはジェイドに振り返る。ジェイドは北東を向いてその先に見えるデオ山脈を見上げる。
「よし、急ごうぜ。師匠に追いつけるかも知れないし」
ヴァンに早く追いつきたい。ケセドニアでヴァンが先にアクゼリュスに向かったと聞いて不満を漏らしていた。それがイライラを募らせているのか少し機嫌が悪い。
「悪いことでも起きなきゃいいけど…」
「紫鶴…不吉なことを言わないで下さい」
胸の奥のもやもやを思わず口にするとジェイドがぽんっと頭に手を置いた。