17 その胸に刻むは…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『そうでしょ?』
なのに、どうしてここまでしてくれるのか。こんな面倒な女は捨てるか殺すかしたほうが早いのに。でも……三人は私に優しすぎる。それが時々痛くて辛い。
『はぁ…』
『君って子は』
『…馬鹿だな』
意味分かんない。そう言う私にわざとらしい溜息を吐くジェイド。少し呆れた風に眉を下げるアスラン。そんな二人と同じ様に息を吐き席を立ち上がり側に寄るピオニー。馬鹿…と言われ何よ!っと私にしては珍しく頬を膨らませる。
『馬鹿だ、お前は』
『人をバカバカ言わないでよ』
失礼な。けど、さっきから呆れたり馬鹿と言うわりには三人とも怒ってるわけではなく何故か微笑んでいる。だんだん分かんなくなっていく。そういうのが分かんなくてどう反応したらいいのか、全く分かんない。
『俺らがどれだけお前を大切に思ってるか分かってない』
『大切にしてくれてるのは分かるけど……そこまでする必要はあるの?』
下手すればジェイドもアスランも降格させられるだろう。ピオニーだって貴族院がただでさえウルサいのに……一番大変な立場なのに。
『地位や名誉のために軍人になったわけじゃないよ』
『この私がどんな形でも守りたいと思う人が出来たのだから感謝しなさい?』
にっこりと微笑む二人。アスランは誰にでも平等で優しくてそんなものに屈しない人。ジェイドの大切な人は妹や幼なじみと先生……幼い頃の思い出で、今も昔も人の死が出来ない人。
『俺は女一人守れなのは嫌だ。お前が何者でもお前は俺たちの大事な女の子だということを忘れるなよ』
だから……その時が来るまでこの件は伏せておくこと。自ら、全てを語りたくなったら話せばいい。たとえどんな事でも紫鶴を受け止めてやる。そうピオニーは満面の笑顔で言って私の頭を撫でた。一瞬だけ、ピオニーの表情が暗くなったけど、ジェイドが「では大量の仕事を持ってくるしましょう♪」と言う声にピオニーが「今日くらい休ませろ!」とかいつものやり取りを始めちゃったせいですぐに忘れちゃった。