17 その胸に刻むは…
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『どういうこと?』
賊討伐後、周りには何も悟られることなくグランコクマに戻った私たち。報告書提出をしなければと執務机に向かうとすぐにピオニーから呼び出された。私だけじゃなくジェイドもアスランも。そこでまず言われたこと。
『今言ったように、この件に関しては箝口令を敷く…と言った』
『そんな事しなくても我々は言いませんよ?』
ピオニーは自身の座る椅子の背にもたれかかり肘を肘置きにおき手を組み再びそう言った。私とアスランは顔を合わせ、こんな事周りに言えるわけはないと返す。
『……陛下が言いたいのは次、の事ですか?』
『次って?』
何か思い当たるのか何とも言えないような面もちを見せるジェイド。ピオニーは返事をせずただジェイドを見ている。まだ意味が分からない私とアスランは首を傾げる。
『もし、また暴走したとき……我々以外の人間がいたらどうします』
『……困るね。私はまだ理由を言うつもりはないし』
『怪しまれますね』
私たちがその事に驚かず何も言わないでいれば不振がられますね。と続けるアスラン。
『そのための箝口令だ』
『もし見られても聞かれても、何も言わない…と言うことですか』
箝口令とは言ったけど要は皇帝勅令。ピオニーの許可なくこの件に関してここにいる人間以外には話すことは許さない。と言うこと。
『でも、何で?』
『何でって、君の為じゃないか!』
何故と訝しげな表情を浮かべる私にアスランが声を荒げる。
『それがだよ。何で私なんかの為にそこまでするの?知られたくないなら手っ取り早く軍から退役させるか殺すかすればいいじゃん』
三人が私を大事に扱ってくれるのは嬉しい。でも他の世界から来た何も話さない怪しい女をここまで大事に扱ってくれることがリスクを負ってくれることが分からない。そんな事しても私以外、誰も得をしない。