16 堕ち掛けた幸福
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ジェイド。紫鶴は…どうしたのですか?」
「アニスちゃんも知りたいでーす。いきなりぃ、大佐が紫鶴を攻撃したからびっくりしましたぁ」
ルークの手を借りジェイドの背に背負われ意識を失ったままの紫鶴をイオンが心配そうに目を細め問う。戦闘に集中していたルークらと違いイオンはずっと紫鶴と紫季の戦いを見ていた。アッシュが二人を見ていたからそれに釣られてだが。
「何がありましたの?」
「ジェイドが紫鶴を手に掛けるなんて尋常じゃないな」
少々顔色の悪い#紫鶴の顔を覗き込むナタリア。紫季につけられた顔の傷とジェイドが槍の柄で殴った箇所は先ほどティアが回復を施してくれたから大丈夫であろう。それにしても何が起こったのか分からない一同は首を傾げるだけ。
「……それは」
「…う…うぅん…」
普段はあまり見せない、神妙な面持ちを見せるジェイドが何か言葉を発しようとすると背中の紫鶴がピクッと動く。背に顔を向ければゆっくりだが預けていた体を起こす紫鶴。
「……ジェ、イド?」
少し掠れた声で自分を背負うジェイドの名を呼ぶ。視線を辺りに向ければそこはザオ遺跡の中ではなく砂漠の上。そして何故かジェイドに背負われている。まだハッキリとしない頭では理解できない。ザオ遺跡でのこともあまりよく思い出せない。紫季と戦っているところまでは覚えているのだが……そこまで?
「…ジェイド!私……あ、れ?」
「いいからもう少し寝てなさい」
「大佐。紫鶴が目を覚ましたなら事情をお聞きしたいのですが」
何かを察した紫鶴が勢いよくジェイドの背から体を起こしたが急に起こしたことで目眩を起こす。溜息を吐きながらもう一度眠れというジェイド。だがティアが先ほどの一件の説明をして欲しいとジェイドに近づく。