16 堕ち掛けた幸福
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「大佐!#紫鶴は…?」
意識を失っている紫鶴を抱き上げて連れて戻ると真っ先にティアが近寄ってきた。
「説明は後です。ティア、少し強く殴ってしまったので回復をお願いできますか?」
「……はい」
ジェイドと紫鶴を一度見比べた後、ファーストエイドを掛ける。がまだ目覚める気配はない。
「三人がかりで何やってんだ!屑!」
膝を着く紫季らを見たアッシュが腰の剣抜いて一人斬り込んでくる。一度は納めた剣を抜いて受け止める。どちらも退かぬ攻防が続く。
「「双牙斬!」」
同じ攻防に痺れを切らしたルークが技を放てばそれと同じタイミングでアッシュも『双牙斬』を放つ。同じ技を同じタイミングで放たれたルークは目を見開き驚きが隠せないでいた。
「今の……今のはヴァン師匠の技だ!どうしておまえが使えるんだ!」
「決まってるだろうが!同じ流派だからだよ、ボケがっ!俺は……!」
尊敬する師と同じ技を使うアッシュ。弟子は自分だけのはずなのに……憤りの隠せないルークが叫ぶと負けじとアッシュも声を張る。
「アッシュ!やめろ!ほっとくとアンタはやりすぎる。剣を収めてよ。さあ!」
アッシュが言葉をさらに続けようとしたときアッシュの肩を掴んで止める。シンクにしては珍しく声を張り上げるとアッシュは舌打ちをして剣を鞘へと収める。
「取引だ。こちらは導師を引き渡す。その代わりここでの戦いは打ち切りたい」
「このままおまえらをぶっ潰せば、そんな取引、成り立たないな」
大人しく剣を収めたアッシュを確認するとルークらに向き直るシンク。戦闘の打ち切りを要請するシンクにガイが睨み付ける。こちらは紫鶴が戦闘不能とはいえ余力は十分。アッシュ以外は疲弊している。向こうが不利なのは見て取れる。