02 葛の花、咲き誇る
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「やべぇ、やりすぎたか?」
「それぐらいでないと止まらなかったでしょうから仕方ないでしょう」
倒れた紫鶴を見てピオニーが頭の後ろを掻きながら幼馴染の側に寄る。ジェイドは槍を消しながら同じように倒れたままの紫鶴を見下ろす。
「へ、陛下!この者を…」
「いや、いい」
「…しかし」
突然の事に声を荒げるノルドハイムに片手を上げて一言そういうと、髭のおじいさんもとい、ゼーゼマンも渋るように声を発してピオニーを見る。
「様子がおかしいのは一目瞭然。あとは紫鶴が目を覚ましたら話を聞く。それからだ」
ピオニーの言葉に「…う、うむ」とまだ不満を漏らす声を上げるがそれ以上は反論しなかった。
何、お腹痛いなぁ…何で痛いの?私、どうしてたっけ?確か―――
「いたたたたっ」
何故か痛みを感じるお腹を押さえながら上半身を起こす。よく見れば、白のブレザーの真ん中に靴の跡がくっきりと付いていた。両脇には葛の葉と鞘が落ちている。
「…あれ?」
上半身のみを起こし座ったままで顔を上げれば、私以外の全員が目を見開いて私を見ている。何か、人を化け物を見るみたいな目で見てるし。
「陛下…手加減しましたか?」
「…いや、その余裕はなかった」
しばし続いた静寂を破ったのはジェイドで答えたのはピオニー。何のことか分からず私は首を傾げる。
「大丈夫か?」
私の傍に寄ってきたピオニーの手を借りて立ち上がる。ピオニーの問いによく分からないが「大丈夫」とだけ返事を返す。
「私…っ!?」
どうしたの?と言おうとしたとき、左手の甲に付いた血に気がついた。それを見て溜息を付く。