16 堕ち掛けた幸福
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「おや、これは……」
「ジェイド、知ってるの?」
「音素ですの!第二音素ですの!」
光を見てふむっ、と何か思い当たるよう目を細める。私が首を向ければルークの側にいたミュウがぴょんぴょんとその光へと近寄る。第二音素……ミュウが言った言葉に私たちは目を丸くした。ちなみにルークとジェイド以外。
「え?なんで音素が目視できるの?」
「それだけ濃度が高いのでしょうね。恐らくここは、フォンスロットにあたるのでしょう」
案の定、ルークは音素のことがよく分かってなくて面倒くさそうにしている。すると前にキャツベルトでしたようにティアが丁寧に説明する。けど、それでもよく分からないでいるルークに更にガイが付け足す。
ルークに分かりやすく言うならば異世界から来た私でさえこの世界に存在する生き物は全て、音素と元素で出来ている。ただ普段は元素同様目に見えないだけ。ここまで説明しなきゃいけないなんて、一体ガイは何を教えてたんだろう?あ、記憶がなかったって言ってたっけ。それ以前に覚えることは多し、か。
「ところでミュウ。あなたは何をしてますの?」
「ソーサラーリングに音素を染み込ませてるのですの!族長が言ってたですの!音素を染み込ませると、リングが強力になるですの!」
第二音素の下でじっと動かないミュウ。しゃがみ込んでその様子をナタリアが問う。するとミュウが自慢気に説明する。
「ふーん。強力にねぇ……」
「で、実際、どんな感じ?」
興味津々にその光景を眺めていればミュウの様子が変わった。どうしたんだろうとみんなと顔を見合わせる。
「みゅうううぅぅぅ。力がみなぎってくる!」
ほんとに?
そんな疑問とともに全員がミュウに視線を向ける。
「……ような。そうでないような感じですの」
「なんだそりゃ。くだらねぇ……」
あれだけ大げさに騒いでおいて意気消沈させるような口調で言うミュウにジェイド以外の全員が肩を落とした。