16 堕ち掛けた幸福
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「それはどこにあるんだ?」
「さあ、残念ながら知りません。責任者の方が探して下さると助かりますが……」
ようやく痛みが引いてきたのか頭から手を離しジェイドの方に振り返る。けどジェイドは意地悪くルークに探せって言う。まったく、いい年したおっさんが二十歳近く離れた子供に何やってるんだか。そのおかげでティアが怒ってるし。
「ジェイド。あんま遊ばないの」
「いえいえ、少しでも気分を紛らわせようかと思いましてね」
それって逆効果じゃ?と横目で見ればそうですかぁ?といつもの笑みを浮かべる。ジェイドの手に掛かると全員が被害者な気がするのは何故なのか……それはジェイドが全力でからかっているからで。
「おや?紫鶴も構って欲しいのですか?」
「遠慮しておく」
みんなが遺跡の場所を聞き回っているなか私とジェイドは泉の前でそんな話をしていた。一応、泉の前にいる人には聞いたよ?たぶん、ジェイドは気を使ってくれてる。本当は私が隠してることを全部聞きたいに違いない。でも聞かないでくれてる。ちゃんと、話すよ。グランコクマに戻ったらピオニーやアスラン。みんなにも。
「あー!大佐と紫鶴!サボってる!」
「サボってないよ」
「いませんよ」
戻ってきたアニスが私たちを指差し大声を上げる。自分たちばかり楽して!と言うからサボってないと返せば、その場から離れてないじゃんと更に頬を膨らませるから二人で泉の前に立つ男の人を指差す。
「あんま変わんないじゃん」
「と、とにかく。ザオ遺跡はここから東の方らしいぜ」
腰に手を当て半目で溜息を吐くアニス。苦笑いを浮かべるガイが聞き回ったら知っている人がいたと言う。
「んじゃ、水分を余計に用意して出発しようか?」
砂漠だから多少荷物になろうとも水だけは必須。各々多めに水を用意してオアシスを発った。