02 葛の花、咲き誇る
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「紫鶴?」
急に動かなくなった紫鶴にピオニーが名を呼ぶ。名を呼ばれ、刀を手にしたまま鞘を持っている左手の甲で頬の血を拭う紫鶴。
「―っ!?」
紫鶴は拭った血を見てにぃーと笑った…その瞬間、ジェイドの背筋につーっと汗が一筋流れた。生まれてこの方、初めてかもしれない…こんな恐怖を感じたのは。
「っ、ジェイド!」
ピオニーが声を上げたと同時に紫鶴が動いた。ジェイドに向かって走り出し、刀を振りかざす。先程とは何処か違う動きにジェイドは戸惑いながらも応対する。
「紫鶴!どうしたのです!?」
刀を振るうのを止めない紫鶴に声を掛けるが、笑いながら攻撃の手を緩めることはない。
様子がおかしい…それはわかる。でも何が彼女を変えたのだ?
「(どうする?殺すつもりで攻撃しないと止められないかもしれない…)」
全く止むことのない紫鶴の攻撃を槍で防ぎながら、どう止めるか思考を巡らせる。
「ジェイドっ!!」
その声に瞬時に反応したジェイドは振り下ろす紫鶴の刀を受け止め、後ろに押し倒す様に後方に弾き飛ばす。前方からの声と共にこちらに走り寄る影が見えた。弾き飛ばされたことで体勢を崩した紫鶴は体勢を立て直して再度、攻撃を加えようとするが後ろからの気配に振り返り、刀を構え直そうとした。
「―っ!」
振り返った先にいたのはピオニー。ピオニーは紫鶴が振り返った瞬間を狙い回し蹴りを入れる。その蹴りは紫鶴の腹部に直撃し、そのまま吹き飛ぶ。