16 堕ち掛けた幸福
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「誰だ……おまえは……」
「……誰と話してるの…?」
苦痛に顔を歪めるルーク……だけど誰かに話し掛けて、ううん。幻聴の主と思われる声に返しているんだ。でも、何を言われているんだか。
「おまえ、アッシュか……!」
アッシュ!?……アッシュがルークに声を掛けている?幻聴の主はアッシュだって言うの……でも七年も前からアッシュがってのはあり得ないよね?ならどうして……考えても分からないことはいい。アッシュは……まだ紫季と一緒にいるのかな。彼のとこに行ったら紫季に会える?…なんてこと言ってられないね。今は紫季を優先するわけにはいかない。
「ルーク様!大丈夫ですか」
「ご主人様、気分が悪いのですの?」
「しっかりして」
急に膝をつくルーク。まだ頭に手を置いたまま。頭痛の余韻があるのか顔色も些か悪い。ティアが側に寄り肩に手を掛ける。
「また幻聴か?」
「幻聴なのかな……」
「アッシュがどうとかっ……仰ってましたわよね」
問うガイに『幻聴』とは断言が出来ないでいた。難しそうな表情を浮かべるルークにナタリアがみんなも聞いた『アッシュ』の名前が出たことについて問う。どうしてどうやって神託の盾騎士団のアッシュがルークだけに聞こえるようにしたのか。ある意味全員の疑問でもあった。
「……さっきの声は確かにアッシュだった。イオンとザオ遺跡にいるって……」
「ザオ遺跡!?そこにイオン様が!?」
「ジェイド知ってる?」
話の内容からするとイオンはザオ遺跡と言うところにいるらしいけど私はザオ遺跡って知らない。オールドラントに来て二年以上経つけど場所どころか名前すら知らないんだけど。だから知識が豊富なジェイドに問いてみる。
「ザオ遺跡……2000年前のあのザオ遺跡のことでしょうか」
思い当たるのはそれくらいという風に少し考え込んでからそう答えた。2000年前ったら創世歴時代のころのものってことになるよね?