15 それすらか必然か
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「お前の相手は俺だ!」
がきぃーん。そんな刃が交える音がした。何かが私に向かって振り下ろされたのがみえて咄嗟に防いだ。ぎりぎりと刃と刃が音を立て、その刃の先に見えた姿に私は言葉を失うしかなかった。
「……し、き?」
私と同じ色素の薄い茶色の髪。神託の盾の服に身を纏ったその顔は私に良く似ていた。それはもう、二度と見ることがないと思っていた彼の姿。
「紫季!」
「気安く人の名前呼んでるんじゃねぇよ!!」
何でこんな所にいるのかは分からない。けどカイツールとコーラル城で見たあのマントと仮面の男は彼だった。まさかまさかとずっと思っていた。でも彼の持っていた刀がどうしても引っかかっていて気になっていて……それが今、やっと分かったけど理解は出来ない。
どうして地球にいるはずの紫季がこのオールドラントにいるのか
それだけは理解できなかった。何もかもが信じられなくて一瞬の迷いが出ると、紫季はそれを見逃さない。刀に力を入れて私を弾き飛ばす。このままだと殺られる……本能はそう悟って何とか踏ん張り、再び打ち込まれた刀を辛くも防ぐ。
「ここにきてからあんたを殺したくて仕方なかった。この手で殺してやりたかった!」
「ど、して……なんで?」
分からない。分からないよ。なんで私たちが争う必要があるのかなんて。私は、会えたことに喜びを覚えたのに。もう二度と会うことがないと思っていたから、このオールドラントに骨を埋める気でいたから。でも、紫季は私を『殺したい』って言う。その理由が分からない。
「俺は――」
「アッシュ!紫季!今はイオンが優先だ!」
紫季が何かを言いかけたとき、遠くから声がした。声はタルタロスからで発したのはシンク。もうイオンの姿はない。どうやらタルタロスへと連れて行かれたようだ。ルークも呆けているけど私にはそれに構う余裕がなかった。理由はルークと似ているかもしれないけどでも違う。