15 それすらか必然か
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
この暗さでは思うようには進めない。更に加えてはまだ流れていたオイルの流れを変えなくては天空客車が動かない。しかもオイルに火を点けるなどして先に進んできたけど……よく爆発しなかったものだと関心と言うかなんと言うか。風の流れからしてそろそろ出口であろうと差し掛かったときだった。
「なんか臭うな」
「油臭いようぅ!」
ルークとアニスが立ち止まり周囲を見渡す。私たちもそれに習うかのように立ち止まり、その臭いに顔を歪めた。工場ならでは……なの?
「この工場が機能していたころの名残かな?それにしちゃ……」
「待って!音が聞こえる……何か……いる?」
うーん、と頭をがしがし掻くガイ。そのガイの言葉を遮ってティアが緊迫感を含んだ声を上げた。確かに何か、ものすごく小さな物音が……ナタリアには聞こえなかったみたいだけどジェイドも周囲に気を巡らせてその原因を探る。何か――来る!
「危ない!」
その瞬間、私らの頭上から何かが降ってきた。ティアが潰されそうになったナタリアに飛び掛り突き飛ばす。降ってきたのは魔物。しかも巨大な。だけどここで驚いている場合じゃない。
「紫鶴!?」
全員が戦闘体勢に入るより先に私は刀の柄に手を置き魔物に向かって走り出す。先手必勝……時間もないことだしさっさと討つべし!
「紫幻―三の式……霞」
攻撃してくる魔物をぎりぎりでかわし懐に入り込んで抜刀し斬り込む。バックステップで一歩下がりもう一度斬り込む。流れ飛び出す魔物の血を浴びないように避け、みんなとは逆のほうに飛び退く。これなら挟み撃ちが出来る体制だ。
「紫鶴!大丈夫ですの?」
「彼女なら大丈夫ですよ」
ナタリアとは初めての戦闘。私の戦闘スタイルが分からない彼女は私が一人孤立したことに驚いて目をぱちぱちとさせている。百聞は一見に如かず……ってことでここは私のやり方を見て馴らしてもらうのが一番。しばらくは一緒なんだし。