15 それすらか必然か
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「導師イオンが拐かされたのですよ。それにわたくしたちは、苦しんでいる人々のために、少しでも急がなくてはなりません。違っていまして?」
正論は正論なんだけど。急ぐったって限界がある。と、いう風には考えられないのかな。王族って目先のことしか見えないのかな?あ、これはピオニーを否定する言葉になる、訂正しなきゃ。ようは人間性と価値観と育ち方の問題か。
「確かにその通りだけど、この辺りは暗いから、少し慎重に進んだ方がいいと思うわ」
「しかも正規のルートから完全に外れてるから、この先何があるか分からないよ。ティアの言う通り慎重に進むべきだよ」
ティアと私の言葉に少々ムッとした表情を浮かべるナタリア。アニスは小声で「そうだそうだ」って言ってるし。宥める様に私たちの言葉に賛同したガイはうっかり……まぁ、そう染み付いてるんだろうけど……敬語を使ってしまい怒られた。自分が正しいと思っている人間を上手く言い包めるのって難しいんだよね。相手を逆撫でさせることは得意なんだけど、って自慢にもならないじゃん。
「ナタリア。この七人で旅をする以上、あなた一人に皆が合わせるのは不自然です。少なくともこの場では、あなたは王族という身分を棄てている訳ですからね」
「……そうですわね。ごめんなさい」
おお、さすがはジェイドだ。いとも簡単に言い包め……もとい、納得させたよ。いつもは喧嘩を売るだけなのに。思わずアニスと「素直だ」と茶々を入れれば「うるさい」と返された。けど本当にそう思ったんだもん。