02 葛の花、咲き誇る
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「…ってここで!?」
「そうだ」
我に返った私は床を指差し声を上げれば、ピオニーは即答した。助けを求めようとジェイドやおじさんたちを見れば、「お前も諦めろ」という風に三人とも首を横に振った。
「…紫鶴。構えなさい」
ジェイドに振り返れば、どこから出したのか手には槍を持っていた。こんな所で剣を交えろと?と思ったけどその考えは無駄らしく、はぁ~と皆に習って私も溜息をついて左手で葛の葉を持ち、右手で柄に手を掛ける。鞘からは抜かずに柄を握ったまま。
先に仕掛けたのは私。瞬時に間合いを詰めて、ジェイドの懐に入り込み刀を一気に抜刀する。間合いを詰めての居合い斬りをジェイドは槍で防ぎ、力任せにそのまま弾く。力と体重の差で私が弾き飛ばされる。私が体勢を崩したの隙を見逃さないジェイドが今度は攻め込んでくる。
「終わりです」
そう呟いて槍を突き出してくる。殺す気?とかも思いつつ、崩した体勢を瞬時に直す。手放してはいなかった刀の鞘で薙げば、鞘はジェイドの横っ腹にヒットする。
「ぐぅっ…」
ここで油断したのがいけなかった。剣の腕を見せろっていうだけだからこれで終わりと思ったら、そうではなかった。ジェイドは声を上げはしたがダメージはなかったらしく、大して体勢を崩すこともなく槍を突き出す。突き出された槍は私の頬を掠めそこから、つーっと血が流れ出た。
―――血、ち、チ
やばい…ほんとに油断した。どくんっと心臓が跳ねる。どこかで見た光景。刀を構える私と倒れる二人の影。地面には赤いものが広がっている。
「紫鶴?」
ピオニーの声が聞こえる。何か遠い所から聞こえる気がする。
カチッとスイッチが入った音がした。