15 それすらか必然か
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「むちゃくちゃなお姫様……」
「紫鶴ほどむちゃな人はいませんよ」
はぁ……と何とも言えない息を吐けば、ジェイドはふふっと笑う。何よ、と睨み付ければ「一人で戦陣を突っ切る人のほうがむちゃくちゃです」とあっさりと返されこれにはぐうの音も出なかった。だって本当のことなんだもん。てかその方が安心できるし、正直被害も少ない。
「決まってますわ。宿敵同士が和平を結ぶという大事な時に、王女であるわたくしが出て行かなくてどうしますの」
将来、国を担う王女なら大人しくしていて欲しい。と、思うのはきっと私だけじゃないはずだ。だってみんな呆れたって顔してるし。けどこの姫様はきっと引かないな。結構私と似たとこがありそうだし……ここまで酷くはない、と思うけど。
「……アホかお前。外の世界は、お姫様がのほほんとしてられる世界じゃないんだよ。下手したら魔物だけじゃなくて、人間とも戦うんだぞ」
「わたくしだった三年前、ケセドニア北部の戦で、慰問に出かけたことがありますもの。覚悟はできてますわ」
覚悟、ね。慰問に行っただけで戦ったことはないって事かな。といっても私もまだ戦闘経験は二年ちょっとなんだけど、それでもそれなりにに魔物や人間を斬って来た。彼女の覚悟と言うのはどういうものなんだろう。自分や仲間のみを守るために躊躇なく人が斬れるのかそれともルークのように躊躇い誰かが傷つくのか……その覚悟は本当にあるのか。
「慰問と実際の戦いはちがうしぃ、お姫様は足手まといになるから、残られた方がいいと思いま~す」
「失礼ながら、同感です」
「ナタリア様。お城へお戻りになった方が……」
まぁ、そうだよね。みんなそう思うよね。あえて私は何も言わないけど、慰問とは違うよね。激励の言葉を掛けに行くのと実際に戦闘をして救出活動をするのでは全く違う。悪いけどここで引き返してくれないかな。正直、アニスの言うとおり足手まといなんだよね。お姫様の好奇心で来られても迷惑だもん。