14 それは流れるように舞い続ける
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「あなたは私が守ります」
「逆でしょ?私がジェイドたちを守るんだよ」
私を安心させるように微笑む。私を守ると言ってくれる。でもね、二年前のあの日から決めてるの。私がジェイドもピオニーもアスランもみんな、私が守るんだって。それが私の出来る恩返し。血で濡れることしか返す方法を知らないの。
「では、紫鶴は私たちが守って、私たちをあなたが守って下さい」
「それって意味あるの?」
互いが互いを守るのって……まあ、意味はあるのかもしれないけど。
「紫鶴に何かあると煩い連中がいるので」
「……素直にピオニーとアスランって言おうよ」
一ヶ月二ヶ月会わなかっただけであれだもんな。ケセドニアでのアスランのウザさなんだから……ウザかった。
「前言撤回」
「はい?」
ボソッと呟くと手を握ったままのジェイドが目を丸くして首を傾げる。
「帰るのイヤ……煩そうでイヤ……」
「……ああ」
何が言いたいのか理解してくれたみたい。ルークがバチカルに家に帰ってきたのを見て少しホームシックになったけどよくよく考えたらちょっと、ね。
親書を届ける……この目的は達した。次はアクゼリュスの救援……この任務が私たちの全てを変えるだろう。私は内に秘め続けた闇の部分を引き出すこととなる。
もう会うこともないだろう思っていた……なのに再会してしまった。絶対にあり得ないと思っていたけどそんなものはいとも簡単に覆され、私は闇に染まっていく。帰りたくない……そう思ったあの国に急に帰りたくなり、そして元の世界はもう故郷ではなくなっていた。