14 それは流れるように舞い続ける
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「あー疲れた」
あの後、ルークとガイとは別れて私たちは城へと戻ってきた。兵士に案内されたのは随分と豪華なゲストルーム。予想はしていたけどやっぱりジェイドと同じ部屋。そりゃあそうだろう……一人はあの『死霊使い』だし、認めたくないけど私のことも知ってるみたいだし。
「紫鶴。はしたないですよ、ブーツを脱ぎなさい」
「はーい」
部屋に入るなりベッドへと飛び込んだ私にクスクスと笑いながら軽く諫める。ジェイドも珍しく疲れているのか、すでに軍服を脱いでインナーのみになっていた。
「今日一晩休んで、明日からはアクゼリュスか」
「ええ、ですから今日は早めに休みますよ」
天井を仰いでいると仄かに紅茶の香りがした。上半身を起こせば部屋に備え付けられていたティーセットでジェイドが紅茶を入れていた。どうぞ、言われソファーに座り一啜り。
「おいし~」
疲れた体には十分染み込む。きちんと宿のベッドで休もうが家で休むものとはだいぶ違い疲れは取りきれない。けどこの生活はあと一ヶ月以上続くだろう。アクゼリュスへ救援……ここから旅立ち活動して目処がたったら帰国。
「……明日はたぶんルークも来るでしょうね」
「えっ?明日って……親書の返事の謁見に?」
ティーカップを片手にソファーへと身を沈めるジェイドの言葉に思わず身を乗り出す。
「ええ。たぶん、ですがね。返事はいいものが返ってくるとは思います」
「けど気になることがあると?」
確証のないことは口にしないジェイドがそういうのだから間違いないだろうけど。それにしても含みのある言い方。二人きりの時くらいはもう少し分かりやすくてもいいんじゃ?
「ご名答です」
カップをソーサーへと置きにっこりと微笑む。何だろう……これくらい分かるでしょう?って心の声が聞こえた気が…き、気のせいかな。うん、疲れてるだけで気のせいだ。そう言うことにしておこう!