14 それは流れるように舞い続ける
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「はぅあ!イオン様!総長が大変ですよ!」
「そうですね。至急ダアトから抗議しましょう」
私とジェイドの言葉にアニスはイオンへと向き直る。イオンも一大事だと焦る。怪しいのは間違いないけど確たる証拠はない。あくまで状況的に怪しいというだけなんだけど。
「なあ、師匠は関係ないんだ!だから伯父上に取りなしてくれよ!」
師匠を助けてくれ……ルークは必死にナタリアに懇願する。私から見れば何を考えているか分からない怪しいと神託の盾の人間。けどルークからすれば誰よりも信頼を置いている恩師。その恩師が危険に晒されていると聞けば助けたいという気持ちは分からないでもない。
「……わかりましたわ。ルークの頼みですもの。その代わり、あの約束、早く思い出して下さいませね」
「ガキの頃のプロポーズの言葉なんて覚えてねっつーの!」
「「!」」
ルークの願いにナタリアは可愛らしく手を胸の前で組む。そしてルークの驚愕な言葉にアニス、ティア……私までもが息を飲んだ。あのルークが……幼い頃とはいえプロポーズ?ありえない……ティアとアニスは違うとこに頭がいってるだろうけど。
「記憶障害のことはわかってます。でも最初に思い出す言葉が、あの約束だと運命的でしょう」
本当に愛らしいお姫様。私にはないもの。ただ人の血を浴びて生きてきたこの二年間が今の私。少し羨ましくも思える。
「……ナタリア様って綺麗な人。可愛いドレスも似合うし……」
「そうかぁ?ぎゃあぎゃあうるせーだけだよ」
ナタリアがいなくなった扉を見つめてボソッとティアが零すとルークはうんざりって顔をする。ぎゃあぎゃあっていうなら君も十分だと思うけど……なんて事は胸中での秘め事にしておかねば。
「………」
視線を隣のジェイドに向ければ同じ事を考えていたようで人差し指を口元に立てて「しーっ」とした。