14 それは流れるように舞い続ける
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「父上!ただいま帰りました!」
ルークとガイに連れられファブレ邸に行くと玄関でルークと同じ赤い髪の中年の男性とさっき港で会ったセシル将軍と遭遇した。これがルークの父親……何か、変?
「報告はセシル少将から受けた。無事で何よりだ。ガイもご苦労だったな」
「……はっ」
そうか。変だと感じたのはこの空気だ。突然消えて行方不明になった息子が無事に帰ってきたというのに抱擁の一つもない。口では『無事』とは言っているけど目が……喜んでない。笑ってない。感情が籠もってない。本当に親子なの?
「使者の方々もご一緒か。お疲れでしょう。どうかごゆるりと」
「ありがとうございます」
後ろにいる私たちを見て労いの言葉を掛けてくれたけど、たぶんイオンがいなかったら一瞥くれるだけだろうな。
「ところでルーク、ヴァン謡将は?」
「師匠?ケセドニアで別れたよ」
唐突にそう尋ねてきたファブレ公爵の言葉にルークだけでなく私たちも首を傾げる。するとセシル将軍は港に行くと公爵に告げて颯爽と屋敷を出ていき、公爵も登城すると後を追うようで出て行った。その際、ティアに色々確認するように何か尋ねられ、ティアは意味が分からないと怪訝な表情を浮かべた。
「何か変だったな。旦那様」
「先生がどうしたんだろう」
「私もここで……」
何かあったのか公爵らが出て行った方を見て言うルークとガイ。そんな中、それに便乗するかのようにティアが踵を返そうとした。
「どうせなら奥様にも謝っていけよ。奥様が倒れたのは、多分ルークがいなくなったせいだ」
「……そうね。そうする」
インゴベルト陛下への謁見を終えようとしたとき陛下がルークにそう告げた。母親が倒れたと聞いてルークが少し顔色を変えた。父親とは何か距離を感じたけど母親とは仲がいいのかな?