14 それは流れるように舞い続ける
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「裏あり?」
「かもしれませんねぇ」
人間、ひょんなきっかけで劇的変化はするかもしれない。でも私の知る限りではルークにそんな変化をもたらすような出来事は何もなかったと思う。しかもあのルークがそんな簡単に変わるだろうか?この疑問にはジェイドも頷いた。
「それよりここからが本番です。気を引き締めて下さいね」
「はーい」
ルークの案内で歩き出す私たち。ジェイドの言葉の意味はこう……ここは敵国。もしこの和平条約が成り立つことがなければ私とジェイドはこの国から出ることは叶わず殺されるだろう。ジェイドは勿論、私も多少なりとも名が知れている。私たちの首を取ることによって宣戦布告とするのだろう。バチカルにいる間はたとえ寝ているときでも気を抜くことは出来ない。
「まあ、イオン様がいますからね。大丈夫だと思いますが」
「用心に越したことがないってね」
一番後ろを歩く私たちの会話は観光気分のみんなには聞こえていないだろう。天空客車に乗り込みバチカルの街中へと登っていく。ジェイドには悪いけど、この天空客車はちょっと楽しい。グランコクマにはないものだから。
「ここが……バチカル?」
「なんだよ。初めて見たみたいな反応して……」
物珍しそうにポカンと口を開けて街を見渡すルークにガイが呆れたように言う。
「仕方ねぇだろ!覚えてねぇんだ!」
「そうか……記憶を失ってから外には出たことがなかったっけな」
癇癪を起こしたルークにガイがバツが悪そうに頭を掻く。何でもかんでも『記憶』がないから……で済ませるのもどうかと思うけど、誘拐されたからって軟禁するって言うのも、ね。
「思ってても口に出してはダメですよ?」
「……そこまでバカじゃないよ」
顔に出てたかな?どうやら私は如何にもワガママ坊ちゃんが嫌いみたい。ルークが悪いとは言わないし、結構いいところもあるんだけど。よく分からないだよね、そのあたりが。良い悪いの評価がしづらい。