14 それは流れるように舞い続ける
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「ケセドニア遠征で……我が軍の一個小隊半数を……壊滅させたという」
ああ、後ろからも痛い視線が……これだけは知られたくなかったのに。知られたら絶対に引かれるって分かってたから。
「私などカーティス大佐に比べたらまだまだです」
「何を言ってるんですか。ケセドニア北部の戦いではセシル少軍に痛い思いをさせられましたよ」
仕返しと言わんばかりにそう言えば、はははっと笑いながらセシル将軍に更にそう返した。この野郎……と思ったのは内緒にしておかねば。ジェイドにあんな事を言われたセシル将軍は苦虫を噛み潰したような表情でジェイドを睨み付けた。それもそうだろうな。
「ご冗談を……私の軍はほぼ壊滅でした」
「皇帝の懐刀と名高い大佐とあの蒼炎の瞬光と呼ばれる少佐が名代として来られるとは、マルクトも本気という訳ですか」
どちらも皮肉じみた言い方。ムカッとして眉を寄せそうになったけど、ジェイドがそれを返すように今がホド戦争の時より厳しいから本気にならざる得ないと言えば二人は表情を変えた。
「おっしゃるとおりだ。ではルーク様は私どもバチカル守備隊とご自宅へ……」
「待ってくれ!俺はイオンから伯父上への取り次ぎを頼まれたんだ。俺が城へと連れていく」
家へと連れていくというゴールドバーグの言葉を遮ってルークはそう言った。この言葉にイオンやティアの顔色が明るくなった。確かに……少し前までのルークならめんどくせぇから頼んだぞ、とか言って自分はさっさと家に帰りそうだったのに。実際、何度もめんどくさい帰りたいを連呼していたのだからこの数日間で何があったのだか。
「ありがとう。心強いです」
「ルーク、見直したわ。あなたも自分の責任をきちんと理解してるのね」
嬉しそうに笑うイオン。今までのワガママっ振りを見てきて、劇的変化に感嘆するティア。それに対してルークは「う、うん……まぁ…」と曖昧な返事をする。