02 葛の花、咲き誇る
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「彼女がロニール雪山で発見した少女です」
「えっと、紫鶴・葛城です」
「俺はこの国の皇帝、ピオニー・ウパラ・マルクト九世だ。ピオニーでいいぞ」
ジェイドが私の肩に手を置き、私は名を名乗る。皇帝…ピオニーも名を名乗る。前方の三人の視線は私に注がれていた。こんなに注目されたことがないから何か緊張する…よく考えたら私って確かまだ『拘束中』なんだよねι
「公には出来ませんが、彼女は紫鶴はこのオールドラントの住人ではありません」
「ほぉ」
「何を言っているんだ!?」
まず確信付いたことをジェイドが言うとピオニーは興味有り気に口元に手を当てる。私から向かって左に立つおじさんが信じられないと声を上げる。ピオニーは片手を上げてまだ何かを言おうとしているおじさんを黙らせる。
「いい、ノルドハイム。ジェイド、続けろ」
笑みを絶やさないままピオニーはそう言った。
「話を聞く限り、彼女はこの世界での常識を全く知りません。そして彼女の話は私には理解出来ないものが多々ありました」
「お前でもか?」
「ええ」
ケテルブルクで話した内容と船の中で話した私の世界についてジェイドが説明をし始めるとそれまで笑みを絶やさなかったピオニーの笑みが消え、他の二人も目を見開いてジェイドの話を聞き入っていた。私にとっては当たり前のことでも、彼らには未知なことらしい。
「…紫鶴」
「はい?」
ピオニーは私の前まで来て私を見下ろす。じぃーと私を見つめる。間近で見るピオニーはあまりそういうことに興味のない私から見ても彼は美形だと思った。整った顔立ちに肩まで伸びた金髪に褐色の肌。この国は美形ばっかだなぁ。