13 狂気への始まり
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「彼女は私の大切な人ですよ」
「ジェイド……誤解を招くようなことを言わないでよ」
私の肩を抱き寄せるジェイド。その言葉はまるで恋人を差すようよ言い方。ああ、アニスがまた「きゃわーんvV」とか喜んでるし。
「むきぃーっ!何ですって!私のジェイドを拐かしたのですか!?」
「気色悪いことを言わないで下さい」
拐かすって……ディストって本当にジェイドが好きなんだなぁ。奇特な人だね。ピオニーのことは知らないのかな?ピオニーからディストの話は聞いたことないし、ディストからピオニーの名前は出ないし。
「ともかく、ジェイドの友達なんでしょ?これからも仲良くしてあげてね」
「ーーっ!?」
「紫鶴!?」
数歩、ディストに近づいて笑い掛けるとディストは驚いたように目を見開く。うっすら顔が赤く見えるのはさっきから興奮してるせいかな?ジェイドはジェイドで珍しく声を荒げるし。
「(紫鶴……まただよ)」
「(自覚がないから仕方ないさ……悪い虫が付かなきゃいいがな)」
私なんか変なこと言った?ジェイドは頭を抱えちゃうし、ディストは顔赤くしてるし、みんなは後ろで何やらコソコソしてるし。何なの?
「ともかくそんな物好きな人は知りません」
「な、何ですって!」
盛大な溜息を吐き、やれやれと首を振るジェイドにディストは我が戻ったかのようにハッと顔をこちらに向けた。
「ほらほら、怒るとまた鼻水が出ますよ」
「キィーー!!出ませんよ!」
何だろうね、このやりとりは。何だかんだと仲がいいように思えるんだけど。
「あ、あほらし……」
「こういうのを、置いてきぼりって言うんだな……」
ジェイドとディストのやり取りを傍観していたルークとガイがその場にしゃがみ込み面倒くさそうにしていた。その気持ちも分からないでもないけど、結構面白いとも思うんだけどな。