13 狂気への始まり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「同位体の研究のようですね。3.14159……これはローレライの音素振動数か」
「3.14159って円周率じゃん」
書類の一部を見て言うジェイド。その数字を聞いて思わず私はそう答えてしまった。
「円周率?」
「えっ!?あ、ああ…な、何かの本に書いてあったの」
ヤバいヤバい。あまりにも聞き慣れた数字についつい元の世界のこと言っちゃったよ。みんなこっち見てるし……隣のジェイドなんか怖くて見れないよ。
「つーか、ローレライ?同位体?音素振動数?訳わからねー」
「ローレライは第七音素の意識集合体の総称よ」
ルークがあっさり流してくれたおかげでみんなの意識はルークに行く。助かった……ほんとに助かった。一人ホッとしているとルークの質問にみんなが答えてた。二年前の私もこんなんだったんだよね。ジェイドのおかげで一ヶ月で普通に学校で数年かける修業課程を終わらされた……あの時は辛かったなぁ。
「フォミクリーって複写機みたいなもんだろ?」
思い出に浸っていると、ふと耳に入った言葉にどきりとした。チラリとジェイドに目を向けるとやれやれといった感じで肩を竦める。
「いえ、フォミクリーで作られるレプリカは、所詮ただの模造品です。見た目はそっくりでも音素振動数は変わってしまいます。同位体はできませんよ」
眼鏡を押さえるジェイド。まさかこんな所でその話が出るなんて。ただでさえ私のポカで機嫌悪いだろうに、更に悪くなったことは間違いないね。
「あーもー!訳わかんねっ!難しい話はやめようぜ。その書類はジェイドが……」
途中話を聞いてなかったけど、段々と話が専門的になってきて難しく聞こえたのだろう。ルークは面倒そうにそう言いかけたときだった。キムラスカ兵が突然部屋に入り込んできたのは。