13 狂気への始まり
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「きゃっ!」
肩に鈍い痛みが走る。痛みに耐え、後方へ飛び間合いを取る。
「ここで諍いを起こすと迷惑です。船へ!」
「くそっ!何なんだ!」
これ以上ここで騒ぎを大きくすればケセドニアの住民に被害が及ぶ。私たちは頷いて港へと走り出す。
「逃がすかっ!」
全力疾走で走り出す。逃げ出す私たちをシンクは執拗に追ってくる。しつこいな!てかシンクの攻撃を受けた肩が痛い。ただ血が出ているような感じはない。何なの?
「ルーク様。出発準備完了しております」
「急いで出港しろ!」
港へと走り込んでくるルークの姿を見たキムラスカ兵が敬礼をしながら言うとルークは叫ぶ。「は?」と何事だ目を丸くする兵士に「追われてるんだ!」と更に叫ぶ。すると兵士は即座に出港し始める。
「わっ!」
出港し船が離れ始め、めいいっぱいジャンプをして船へと飛び乗る。その際に私は体勢を崩し、床へと叩きつけられそうになった。けど痛みはない。
「……あれ?痛くない」
「それはよかったです」
床へ倒れ込んでいるのに痛みがないのに不思議がっていると近くで声がした。
「きゃわ~ん♪大佐ってばだいたーんvV」
誰が大胆だって?けどそのアニスの言葉で倒れている体の下が冷たくも堅くもないことに気付いた。温かい……そうだ。何か温かいものに包まれているんだ。
「ジェイド?」
「はい」
目の前に広がる蒼と亜麻色。名を呼べば普通に返事された。脳がやっと働いたのか、私はジェイドの胸に手を着いて体を起こす。そのままジェイドの顔を見れば彼は満足そうな笑みを浮かべている。
「なにやってんの!?」
「何って……あなたを受け止めたんですよ」
確かに先に乗り込んでたけど、まさか体勢を崩した私を受け止めるなんて。いったい何を考えるんだか!?