13 狂気への始まり
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「あらん、この辺りには似つかわしい品のいいお方……vV」
街を見物しながら歩いていると突如前から現れた派手な服を着たおばさ……もとい、女性。ルークに声を掛け寄りかかる……ってこの人。ルークは気付いてないなぁ。女性に体をすり付けられてるルークはウザったそうに眉を顰めるだけ。
「きゃぅ……アニスのルーク様が年増にぃ……」「あら~ん。ごめんなさいネ。お嬢ちゃん……お邪魔みたいだから行くわネ」
頭を抱えてサラリと『年増』と言ってのけたアニスにムッとしたのか女性はピクリと眉を動かしルークから離れる。みんなが思ってたことをあっさりと言えるアニスをある意味尊敬するよ。そしてそのまま立ち去ろうとする女性。
「待って」
「紫鶴?」
立ち去ろうとする女性に葛の葉を抜き差し向ける。ピタッと止まる女性。私の行動にイオンが声を上げる。
「取ったものを返して」
「あらん?」
刀を手にしてない方の手を差し出せば、女性は目を細くする。体をすり付けられていたルークは私の言葉にやっとピンときたのかズボンのポケットを漁り始める。
「あーっ!財布がねーっ!?」
「……はん。ぼんくらばかりじゃなかったか」
チッと舌打ちをして、手の中の財布を頭上に待機していた男に「ヨーク!後は任せた」と叫びながら投げる。そして女性は「ずらかるよ。ウルシー!」と叫んで、太った男、ウルシーの手を借りて逃げようとしたが私は瞬時に女性の前に回り込み喉元に刀を突きつける。
「くっ!」
喉元に刀を突きつけられて呻く。ちらりとヨークと呼ばれた男が逃げた方を見ればティアが投げたナイフで転倒していた。そのままティアは素早く近づいてヨークの首元にナイフを突きつける。
「動かないで。取ったものを返せば、無傷で解放するわ」
「それとも憲兵に突き出されたい?」
私とティアに武器を突きつけられ動けない二人。そんな二人の状態に逃がす手助けをしようとしたウルシーも動けないでいた。