13 狂気への始まり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……君という子は」
そっと抱き寄せられ、ポンポンと頭に手を置く。顔に出てたのかな。久々なせいか少し涙が出そうになる。ジェイドもアスランも優しい。先日のコーラル城の一件からどうも調子が出ない。
「ごめん……でも、アスランの顔見たら何か元気出たよ」
「君の役に立てるなら嬉しいよ」
陛下を蹴落としてここまで来たかいがあったと言う。蹴落としたって、今頃ピオニーいじけてるかな?
「あんまりピオニーを苛めちゃ駄目だよ」
くすくすと笑うとアスランもよかったと呟きながら笑みを浮かべる。
「それで、あなたは何しにここに?」
端から見るとアスランと抱き合ってるように見える私の両肩を掴んで自身の方に引き寄せるジェイド。二人とも怖いくらい満面の笑みを浮かべている。
「紫鶴の様子を見に来たんですよ。一応、陛下からの命ですが何か?大佐はいつも一緒なんですからたまにはいいじゃないですか」
「ははは。そんな暇があったらあの馬鹿皇帝にもっと仕事をさせて下さい」
始まってしまった。こうなると私の手には負えない。どうしたものかと頭を抱えてしまう。
「ねぇねぇ、紫鶴」
「……あんまり聞かないでほしい」
アニスが両手を腰に当ててチラリと私を見る。当然、全員が私を見ている。一応、アニスとイオンはグランコクマを出発するときにも似たような光景を見ているがジェイドとアスランが火花を散らしている様に些か引いている。
「……自分で言うのもなんだけど…異常なくらい溺愛されてると思うよ」
「溺愛のレベルを越えているみたいだけどな」
こんな光景は日常茶飯事だと言うと、ガイが二人を見ながらはぁと息を吐く。ごもっとも、としか返せないよ。
「紫鶴は愛されてるのね」
「過保護なだけだよ。そんな年でもないのに」
少し羨ましそうに微笑むティアにどう返していいものか、それでも私は苦笑混じりの返事しか出来なかった。