13 狂気への始まり
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「どうしてここに?」
まだ親書が届けられていない今、少将であるアスランがグランコクマを離れるって……ただでさえジェイドも首都を離れてるというのに。
「タルタロス拿捕の話を聞いて心配になってね。無事とは聞いていたからケセドニアで待っていれば会えると思ってね」
「よく……来れたね」
「あの陛下が許可するとは思えませんでしたが……ところで紫鶴~?」
にこにこと笑みを浮かべるアスランに感嘆の息を吐く。ジェイドもそれには頷いたが、ポケットに手を入れたまま意味ありげに私を見下ろす。し、しまった……ここはグランコクマじゃなかった。
「失礼しました……フリングス少将」
「そんな他人行儀にしないでくれ。いつも通りの方が僕は嬉しいよ」
改めて敬礼をすればアスランは苦笑いを浮かべる。そしてジェイドに「分かってて言うのはズルいですよ」と一言。
「ところで…」
「んっ?」
軽くジェイドを諫めると再び私に向き直るアスラン。私にはめったに見せない真剣な表情を浮かべるものだから何かあったかと思ってしまった。そが取り越し苦労とは知らずに。
「タルタロスが拿捕されたと聞いたときはすぐにでもセントビナーに向かおうと思ったよ。馬鹿皇帝が邪魔をするから結局は行けなかったけど、でも心配だからとせめて一目だけでも無事を確認したくて何とかケセドニアまで来たんだ。怪我はないかい?辛いことがあるなら僕に言ってごらん」
………ウザイくらいアスランはいつものアスランで安心するんだけどそんなに揺らされると何も話せないんだけどな。あーみんなも白い目で見てるし。それより普通に心配してくれてるだけ何だろうけどまた的を射たようなこと言うんだから。
「紫鶴?」
そんなつもりはないんだろうけど、久々にアスランの顔を見たら何だか安心し過ぎちゃったというか何て言うか……