02 葛の花、咲き誇る
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雪の街ケテルブルクを船で発っておよそ3日。船を降り、地に立つとそこは水の都だった。
「わ~っ…キレイ」
船から降り港に降り立ちその街並みを見渡す。
天から降り注がれるように流れる一面の滝に目を奪われた。行ったことがあるわけではないが水の都と言われているイタリアのベネチアを思い出した。
「ここがグランコクマです。水上の帝都と呼ばれています」
ぽかんと口を開けて突っ立ている私の隣に来て微笑むジェイド。水上の帝都…その名に恥じない目も心も奪われる。
「行きますよ。あなたには陛下に謁見していただきます」
「あ、うん」
ネフリーから貰った服は袋にしまい、ここに来たときのままの制服姿で歩き出す。隣にジェイドがいるとはいえ、やっぱり見たことのない格好をしている私を街の人々はじろじろと見る。港から10分程度歩くと先程の滝が目の前にあった。思わず足を止めて見上げる。
「どうかしましたか?」
「うん?いや、キレイだなぁ、って」
ケテルブルクの一面の雪景色もキレイだったがこの水の壁に囲まれたグランコクマもまた美しかった。世界の違い…自然の少ない日本とは大違いだ。
「私の住んでたとこって自然がなくて、建物ばっかりだったから」
滝を見上げながら言うとジェイドは「そうですか」と短く答えた。もう一度「行きますよ」と促され、私とジェイドは”陛下”の待つ宮殿に向かった。そこでまた私は驚くことになるんだけど。