12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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「紫鶴、大丈夫かい?」
「ガイ…ゴメンね。足手まといになって」
面倒だけど、来た道を戻っているとガイが話しかけてきた。戦闘に加わった張本人が戦いを離脱してしまったことを謝罪する。けどガイは首を横に振る。
「いいさ、君が無事なら」
「…ガイって優しいね」
みんな理由を聞かない。聞かれても答える気はないけど。どちらにしてもジェイドじゃないけど確信がないから返答しようがない。
「もうあんなヘマしないよ」
次現れたら……確かめてみよう。いるはずがないけど。万が一に備えてだけど、私の思った通りだったら……いや、その時がくれば嫌でもわかるんだ。もう直ぐ屋上への階段を上りきる。ルークは同じ轍を踏まないぞとミュウの頭を掴んでいる。
「おらぁ!火ぃ噴けぇ!」
屋上へ出ると同時にミュウを突き出す。再び同じ罠を仕掛けてきたアリエッタ。アリエッタの魔物はルーク目掛けて急降下してきたけど、ミュウが炎を噴いたから驚き、悲鳴を上げながら上昇していった。
「へへっ、何度も同じ手に引っかかると思うなよ!」
「思うなですの!」
どうだと言うように腕を上げるルークを真似るミュウ。
「ふむ。あなたにしては上出来ですね」
「いちいち、うるせえぞ!」
「茶茶入れなければ気が済まないんだよ」
共に階段を上りきり屋上に出ると、魔物を退けたルークにいつものように余計な一言を言う。全くこのおっさんは何か言わないとほんとに気が済まないんだから。
「アリエッタのお友達に……火……噴いた!もう許さないんだからぁ!」
ルークの行動でアリエッタは激昂した。腕の中のぬいぐるみが潰れてしまうくらい強く抱き締める。
「……悪いけど」
互いに戦闘態勢に入ったところに、私は一歩前に出る。