12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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「ルーク!」
来た道を戻り、あの巨大な機械がある部屋に戻るとそこにはルークの姿があった。ルークだけじゃない。六神将、烈風のシンクと直ぐにいなくなったディストもいた。ガイが剣を抜いてシンクに斬り掛かるが、彼は見事な身のこなしでその剣を避ける。
「ガイっ!」
シンクの着地を狙って私が葛の葉を抜き打つ……がその剣はシンクに届くことはなかった。
「くっ!」
私の剣を押さえたのはカイツールでアッシュといたあのマントの男。やっぱりフードを被っていたがその下にはシンクと似たような仮面を付けていた。
「(な、に……何か、懐かしい気が……?)」
気を抜いた瞬間だ。男は私を弾き飛ばし、斬り付けてきた。でも私は体勢を整えるより、その男が持っていた剣に気を取られ呆然としてしまっていた。
「紫鶴っ!」
尻餅を付いたまま動けない私の前に現れたのはジェイド。コンタミネーションで出した槍で男の剣……いや、刀を防いでいた。
「ど、して…それ……」
ジェイドが応戦して、ガイが再びシンクと対峙して……その光景は視界に入っているけど、けど私の目は男の持つ刀だけを捕らえていた。だってあれは……あの刀は、あの刀を持っているのは『彼』だけなのに。どうしてあの男が持ってるの?
「紫鶴、大丈夫ですか?」
「…い、おん」
未だ、呆然としていた私の傍らに膝をついて顔を覗き込むイオン。しまった…戦意喪失なんて、軍人のする事じゃないのに。
「待てっ!」
「やだね。今回の件は正規の任務じゃないんでね。この手でおまえらを殺せないのは残念だけど、アリエッタに任せるよ。奴は人質と一緒にいる。振り回されてご苦労様」
応戦してしようと立ち上がるとシンクと男は頭上遥か高くに飛び、捨て台詞のようなものを残して消えていった。因みにディストはいつの間にかいなくなっていた。