12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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「アリエッタ、違うんです!あなたを導師守護役から遠ざけたのは、そういうわけではなくて……」
「ハーハッハッハッ!」
イオンが前に乗り出してそこまで言うと、遠くの方から何処かで聞いたような笑い声がした。妙に癇に障るのは気のせいだといいな。
「うわああぁ!」
「ハーハッハッハッハッハッ!」
ルークの悲鳴の方へ顔を向ければ、ルークを捕らえていた魔物はルークを離した。落下するルークを笑い声とともに現れた何かが拾った。
「あれって……」
「紫鶴、見てはいけません。汚れますよ」
譜業椅子に乗った六神将のディストがルークを膝の上に載せてそのまま去っていった。じーっと見る私の目の前にジェイドが立つ。汚れるって……ピオニーにから聞いてたけど、ここまで嫌ってるというか扱いが酷いというか。
「あっ!」
ディストに気を取られてアリエッタのことを忘れてたら当のアリエッタはライガに跨って、再び整備隊長を連れていってしまった。
「ディストまで絡んでましたか。やれやれですねぇ」
「大丈夫かなぁ……もう……」
面倒くさそうに息を吐いて眼鏡を直すジェイド。ティアがルークが連れて行かれた方を見ながらぽつりと呟く。
「ルークを助けに行こうか」
「紫鶴!」
ディストの笑い声を気いたらやる気も失せてきたけど、ルークをあのままにして置くわけにはいかない。反対側の塔に行かれてしまっては仕方ないと来た道を戻ろうとするとイオンに声をかけられる。
「なに、イオン?」
「……アリエッタの事なんですが……紫鶴!お願い…っ」
少し言いにくそうに目線を逸らした後、意を決したように私を見て居なくなった彼女のことを話そうとするイオンの唇に私の人差し指を置く。
「今回は私の甘さが招いたこと。だから今度は見逃すわけにはいかない」
だからゴメンね。と私はイオンに背を向けて、階段を降りていった。