12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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「内緒にしててゴメン」
「陛下ですか…いつから?」
私も前を向いたまま答える。声も小さいから、後ろを歩くみんなには話ながら歩いているようには見えないはずだし、内容も聞こえていないはず。
「一年前くらいかな?ジェイドと一番一緒にいるから色んな噂を聞くだろう。いずれ知ることになる、でもあいつからは話さない。だから俺が話す……ってね」
バレた以上、隠しておいても仕方ない。だったら正直に話してしまった方がいい。「ピオニーなりに心配してるんだよ」って微笑んでジェイドを見る。
「余計なことを」
「……ごめん」
小さく息を吐くジェイド。私は彼にもう一度、謝罪の言葉を口にする。
「あなたが謝ることではないでしょう?話したのは陛下なのですから」
「……うん……でも、私はまだ隠し事があるから…話してないから」
助けられて拾われて二年……その間に私には疑われてもおかしくない出来事もあった。でもジェイドもピオニーもアスランもみんな黙認してくれている。なのに私は自分自身のことは大して話していない。私はジェイド達が思ってるほど綺麗でも出来た人間じゃない。
「陛下が話した私の事なんて私の一部の出来事ですよ。話していないことなどまだ多々あります」
だからそんなに落ち込むなってことかな。遠回しだけど慰められてしまった。
「いつかちゃんと話すよ……まずは目先に事に集中!」
隠し事のない人間なんていない。ルークはともかく他のみんなもそれぞれ秘密はありそうだし、それは人に言えないくらい重いものはず。
「ええ、整備隊長とアリエッタです」
「アリエッタは私が責任持つよ」
イオンが望んだとはいえ、寝込みを襲うのが嫌だからジェイドに手を下させなかった。それがこの結果。なら今度こそ私の手で……始末する。