01 辿り着いた先
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ほへぇ~と一人で二人を見つめる。
「それで、この子の身元は分かったの?」
「それがですねぇ……」
私が何処から来たのかと聞くネフリーにジェイドが溜息を交えて説明をし始めた。私がこの世界の人間ではないこと。この世界に来た理由は私にもジェイドにも分からないと。ジェイドの話にネフリーは考え込んでしまった。仕方ないだろう…異世界なんて途方もない話だ。私自身まだ信じがたいもん。
「では紫鶴。明朝ケテルブルクを発って、船でグランコクマに向かいます」
「…わかった。じたばたしてもしょうがないし」
立ち上がってジェイドの前まで行く。私より頭一個分以上背の高いジェイドを見上げる。
「いい子ですね。では、外に見張りは付けさせていただきますが、ゆっくり休んでください」
そう言ってジェイドとネフリーは出て行った。男の子助けた見返りがまさか、異世界へのご招待とは思わなかった。元の世界ではどうなってるんだろう…おじいちゃん、泣いてるかな。ネフリーにもらったセーターを着て、窓の外を見る。燦燦と雪が降っていて、初めて見る雪景色が広がっていた。
「己の芯の強さ、か」
今は手元にない刀の意味をぽつりと零す。不安はもちろんある。無い訳がない…知らない土地にいきなり飛ばされたんだから。でも、考えていてもこの状況が変わるわけでもない。とりあえず、ジェイドを信用していい方向に行くことだけを祈ろう。
私が目覚めて辿り着いた先は一面の雪国だった。