12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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「ここが俺の発見された場所……?」
外見はかなり寂れていた。外壁には蔦が這い、窓は割れている。城の周りも手入れがされていないせいか木々は適当に生い茂っている。
「何か出たりして♪」
「し、紫鶴!?変なこと言わないで!!」
昔、行った遊園地のお化け屋敷を思い出して楽しんでると、ティアがいつも以上に高い、悲鳴に近い声を上げる。あれ?こういうの苦手とか?
「どうだ?何か思い出さないか?」
「うーん……七年前にバチカルの屋敷に帰った辺りからしか記憶がねーんだよな」
ガイが城からルークに視線を移す。当のルークは辺りを見回してもやはり分からないと答える。
「ルーク様、お可哀相!私、記憶を取り戻すお手伝いをしますね!」
がしっとルークの腕に抱き付く。もうルークも慣れたのかどうでもいいように放っておいている。
「とりあえず中に行こうよ…どうやら何かありそうだし」
「確かに…人の手が入ってるみたいだわ」
人が歩いて出来た道もあるし、わざわざこんな所を指定してくるくらいだから何かあるはずだ。
「ここってどういう構造なの?」
私の問いにガイが腕を組んで考える。
「このコーラル城は、左右に二つの塔を持つ構造になっている……のは外から見ればわかるよな」
思い出しながらそう言ったけど、ここに来るまでにそれは見えていたから黙って頷く。
「地下か屋上か……どっちかな~」
「なにが?」
指をクルクルと回しながら辺りを見回しているとアニスが首を傾げる。
「人質とアリエッタの居場所。隠すなら地下。暴れるなら屋上だしね」
「あ、暴れるって…」
上と下を交互に指差せばガイが脱力したように肩を落とす。ってもどっちかしかないし。特にアリエッタからしたら私は親の敵なんだしね。