12 彼に募り、彼女に蘇る悲しき記憶
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カイツールで一晩休んで早朝、私たちは出発した。早くに出発したおかげで昼には軍港に辿り着いた……けど、そこで私たちは………
「な、なんだぁ!?」
軍港の入り口に入ると、私たちの頭上を大きな影が通り過ぎた。天を仰げば幾つもの魔物が飛んでいた……港に向かって。
「あれって、根暗ッタのペットだよ!」
「根暗ッタ?」
空の魔物を見てアニスが指を指した。そのアニスの言葉にガイが首を傾げた。
「アリエッタ!六神将『妖獣のアリエッタ』だよ!いまの魔物は、その根暗ッタの言うことをよくきく連中なの~!」
「わ、わかったから触るなあ~!」
ぽかぽかとガイを叩きながらそう説明した。叩かれたガイは一気にアニスから離れてカタカタと震える。情けない……と言いたいところだけど、こういった体質に関してはそう簡単には治せないから仕方ないかな。でも女性恐怖症っても普通に話は出来るんだからまだましなのかな?
「港のほうから飛んできたわね。行きましょう」
アニスとガイの漫才にも似たやり取りを無視して一人サクサクと歩き出すティア。
「ほら、ガイ。喜んでないで行きますよ」
「微妙にガイの年でアニスに手を出すと犯罪っぽいよね」
ジェイドと私はすれ違い様にそう言ってティアの後を追う。すると後ろから「俺は嫌がってるんだ!それにロリコンじゃない!俺は……っ!」となんだから叫ぶガイ。最後の方は何言ってるんだかよく聞こえなかったから振り返ると『ロリコン』って言葉に反応したのかアニスがガイの腕にしがみついて仕返しをしていた。当然、ガイの悲鳴が港に響きわたった。
「何やってるんだか…」「そう言いながら顔が笑ってますよ、紫鶴」
くすくすと笑いながら言う私に隣を歩くジェイドも笑いながらこちらを向いた。「だって楽しいもん」と言えば「同感です♪」と返す辺りが似た者同士なんだなって思えて何か嬉しかった。内緒だけどね。