11 I do not forget it
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「第七譜石は、始祖ユリアが二千年前に詠んだ預言よ。世界の未来史が書かれているの。あまりに長大な預言のため山ほどの大きさの物が七つになったの」
ルークにも分かるようにティアが説明をし始めた。それに頷いたイオンが更に続けた。
「その一部が空に見える譜石帯になり、一部は地表に落ちたりして、マルクトとキムラスカで取り合いとなり、戦争の発端になったんです」
譜石を手に入れれば未来が分かる……そうすれば世界を統べることが出来る。そう思い込んでいるのだろう。正直くだらないと思う。
「ふーん。とにかく、七番目の預言が書いてあるのが、第七譜石なんだな」
全部は把握できないが、大まかな事を理解してルークは頷いた。もう一度イオンは頷いて、第七譜石はユリアが詠んだ後、自ら隠したと言われていると付け足した。だから、様々な勢力がそれを探していると。
「それをティアが探しているのか?」
「さぁ、どうかしら」
ルークがティアに振り返るが、ティアは曖昧な返事しかしなかった。
「とにかく、私はモース殿とは関係ない。六神将にも余計なことをせぬように、命令しておこう」
そう言い、今度はイオンがここにいる経緯を知りたいという。それに関しては説明嫌いのジェイドが珍しく自分が説明すると前に出る。事情を聞いたヴァンは「なるほど」と考え込むように黙り込んだ。
「ヴァン謡将。旅券の方は」
「ああ、ファブレ公爵より臨時の旅券を預かっている」
念のために持ってきた予備を合わせれば足りる、と。随分と都合がいいなとも思うがあまり追求しても何も出ては来ないだろう。先に国境を越えるとヴァンは宿の外出ようと歩き出す。少しルークが我が儘を言ったがそれをやんわりと言って了承させた。
「葛城少佐…でしたな。先程は妹が無礼をした」
「…いえ、仕事ですので」
ヴァンは私の前で止まり、さっきの件をティアに変わってと謝罪してきた。私は姿勢を正し、淡々と答えれば「失礼」とだけ言って今度こそ宿を後にした。