11 I do not forget it
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「何故、兄さんは戦争を回避しようとなさるイオン様の邪魔をするの?」
「ルークから聞いてなかったのか?私は教団からイオン様が行方不明になられたとしか聞いてないのだぞ?」
宿に入って各自、話をする位置に着くとすぐにティアが切り出した。それに対してヴァンは「やれやれ」と肩を竦め、自分は確かに六神将は部下だが彼らは大詠師で、自分がいない間に大詠師、モースが勝手に命令を出したのだろうと言った。
「なるほどね。ヴァン謡将を呼び戻そうとしたのも、マルクト軍からイオン様を奪い返せってことだったのかもしれないな」
腕を組み、背を壁に預けるガイがヴァンにもイオン様を連れ戻す手助けをさせようとしていたのだろうと言う。
「じゃあ、兄さんは無関係だというの?」
再びヴァンを睨み付けるティア。ヴァンはゆっくりと首を横に振る。
「部下の動きを把握していなかったという点では、そうは言わぬ。だか、私は大詠師派ではない。六神将の長であるために、そう取られがちだがな……それよりもティア。お前こそ大詠師旗下の諜報部隊に所属しているはず。何故ここにいる?」
今度はヴァンがティアに問う。
「モース様の命令であるものを捜索しているの。それ以上は言えないわ」「第七譜石か?」
表情で悟られないようにか、目を閉じる。更にヴァンが問えば、ティアは「機密事項です」と声音を変えずに答えるが、たぶんヴァンは確信を持っただろう。冷静に返してはいるけど、逆に肯定しているように聞こえる。
「第七譜石?なんだそれ?」
緊張した空気を吹き飛ばしたのはルークのこの一言だった。呆れてものが言えないとはこの事だろう。物事を知らなすぎるとはどうかと思う。ガイも「箱入りすぎるってのもなぁ…」と肩を落とし溜息を吐いた。それに同感だと皆、呆れた表情を浮かべている。