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「あなたにはこのまま私とグランコクマに来てもらいます。陛下に謁見してその時にあなたの今後を考えそれによって返してあげますよ」
「…っ。あれは――」
直ぐには返してもらえないと言われ、思わず「我が家の宝刀だから返して」と反論しようとしたその時だった。
―――コンコン
部屋のドアがノックされたのは。
「誰です?」
「私よ」
扉の向こうからは女の人の声。その声にジェイドは「ネフリー」と呟いた後、待ってくださいと言って扉の鍵を開ける。開いた扉から綺麗な女の人が部屋に入ってきた。
「(うわぁ~綺麗な人だなぁ)」
「あら、気がついたのね」
胸中でそんな事を思っていればネフリーと呼ばれた女性は私に微笑んだ。綺麗だけど、どこかで見たような?
「ええまぁ。どうしましたか?」
「その子、薄着でしょ?私のお古で悪いけど、服を持ってきたわ」
持っていた袋を私に手渡してくれる。袋から中身を出してみるとセーターとロングコートにマフラーが入っていた。
「よかったら使って。寒いでしょ?」
「あ、ありがとうございます」
私はもらったセーターを抱きしめる。何か、嬉しかった。たったこれだけのことが凄く嬉しかった。
「わざわざ、すみません」
ジェイドがネフリーの隣に立ち礼を述べる。ネフリーは一度ジェイドに微笑んで私を再度見る。
「私はこのケテルブルクの知事をしている、ネフリー・オズボーンと言います」
「私の妹ですよ」
「へ~。私は紫鶴・葛城ですぅ…えっ?妹?」
疑問符がポンポンと頭上に浮かぶ。ジェイドとネフリー。並んだ二人を見つめる。
「何ですか?」
じーぃと見られているのが不快なのか眉根を寄せるジェイド。
「あ~。どこかで見たと思ったら、そっくりだ。美男美女の兄妹かぁ」
自己完結で納得して手を打つ。よくよく見ればそっくりだ。