11 I do not forget it
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「瘴気が消えた…」
逃げ場が無くなるくらいの立ち込めていた紫色の瘴気が跡形もなく消えたのを見て、ガイが呆然と呟いた。
「瘴気が持つ、固定振動数と同じ……振動を与えて、消滅させたの……」
それも一時的な防御術だから長くは持たないとティアは続けた。
「噂には聞いたことがあります。ユリアが残したと伝えられる七つの譜歌……」
「…あれって暗号が複雑で詠める人はいないって……」
まさかそんなものをティアが歌えてるなんて…と私とジェイドは視線をティアに向ける。
「詮索は後だ。ここから逃げ出さないと」
「……そうですね」
そう返事をしたジェイドが手に音素を集めたのを感じた私はその手を掴んだ。
「ジェイド…見逃して……お願い」
「何を……っ!」
私の掴んだジェイドの手を中には槍が握られている。ジェイドは槍を手にしながら、アリエッタの方を見据えている……これだけあからさまならさすがのルークも気付いたみたいだ。ジェイドが…何をしようとしているのかを。
「生かしておけばあなたの命が狙われるのですよ?…紫鶴#」
「私が狙われるなら構わない…殺るなら、きちんと正々堂々と軍人として戦って……私が殺すよ」
私より頭一つ背の高いジェイドを見上げる。いつもりより声音を低くして「私が殺す」と言うと、少し離れたところでルークが唾を呑んだのが分かった。
「ジェイド、僕からもお願いします。アリエッタはもともと、僕付き導師守護役だったんです」
イオンも私たちの側に寄りジェイドに懇願した。ジェイドは溜息を吐き「まあ、いいでしょう」と槍を消しながら言ってくれた。