11 I do not forget it
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「紫鶴!あれはあなただけのせいじゃ…」
「関係ないよ。ルークとティアは大した傷を負わせてない」
私はイオンとジェイドを傷つけようとした瀕死のライガクイーンを躊躇うことなく止めを刺したんだ。その事実は変えられない事実。
「あなたが…ママの、敵っ!」
アリエッタが私を標的とし、共に現れたライガ共々攻撃の体制に入ったときだった……地面に衝撃が走ったのは。これが地震だと気づくのに数秒……僅かな隙を見せてしまいアリエッタに攻撃されると彼女に振り返ると同時に私とアリエッタの間に何かが地面から噴き出した。
「きゃっ……!」
噴き出した紫の煙のようなものを浴びたアリエッタは悲鳴を上げてその場に倒れた。共にいたライガも苦しげに声を上げてアリエッタの傍に倒れた。
「瘴気だわ……!」
「いけません!瘴気は猛毒です!」
瞬時に口を手で覆ったティアが叫ぶと、同様に口を手で覆うイオンが警告の声を上げた。
「吸い込んだら死んじまうのか!?」
ルークが倒れたアリエッタと瘴気を見比べながら動揺を露わにする。ガイやジェイドも手で口を覆い逃げ道を探す。
「長時間吸い込まなければ大丈夫。だけど――」
逃げ道はない。次から次へと瘴気は噴き出し、私たちの逃げ道を塞いでしまった。万事休す……誰もがそう思ったとき、ティアがその場で目を閉じ大きく息を吸った。
「クロア リュオ ズェ トゥエ リュオ レイ ネゥ リュオ ズェ」
唐突に譜歌を歌いだしたティア。その行動に皆が目を見張った。
「譜歌を歌ってどうするつもりだと……」
「待って下さい、ジェイド。この譜歌は……ユリアの譜歌です!」
こんな時に!ジェイドが少し苛ついた様に声を上げれば、何かを察したイオンがジェイドの言葉を遮るように声を上げた。その瞬間、ティアの足元に巨大な譜陣が現れ光を放ち、それと共に地震が止みあれだけ満ちていた瘴気も消えた。