11 I do not forget it
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「八つ当たりはやめて!ミュウが可哀相だわ」
「面倒に巻き込んですみません、ルーク」
ミュウに乱暴をするルークにティアが怒鳴り、イオンは何度目となるか分からない謝罪をする。ルークは「ちっ」と舌打ちをしてミュウを放り投げる。そのミュウはティアが拾い上げる。
「さあ、ルークのわがままも終わったようですし行きましょうか」
「わがままってなんだよ!」
我関せずとしていたジェイドは一人先に川を渡り始める。その言葉にルークは更に激情して吼えたが、ジェイドは振り返らない。正直、確かに巻き込んだのはこっちで殺さなくてもいい人まで殺させてしまったけど、このルークの態度も目に余る。
「早く帰りたかったらサクサク歩く」
ジェイドに続い私も川へと入る。ルークを追い越す際に、ぽんっと背中を叩いてそう言うと「分かってるよ!」と更に怒鳴りつける。どうにかならないのかね。
「悪いな」
「いいよ。分からないわけでもないから…」
ルークの態度を何故かガイが謝る。相当、甘やかされて育てられたのがよく分かるけど、少し引くね。まあ、屋敷から出たことがないんじゃ仕方ないのかもしれないけど。
「橋が流されたわりに、たいした川じゃないな」
靴が濡れるのがよほど嫌なのか、足元を気にしながらルークが問う。
「もう、だいぶ水が引いたんじゃないか?雨が降ったあとは、川の水が茶色に濁って大変だろ?」
「……だろって言われてもな」
濁流で橋が流された後にしては綺麗に澄んでいる川の水を見てガイが答えるが、川自体を初めて見るというルークはピンと来なくて困った風に息を吐く。
「っと、そうだったな。とにかく、川に限らず水をなめてたら大変なことになる。気をつけろよ」
「お前、よくそれ言うよな。海は怖い、とかさ」
すまないとルークに謝りながらも注意を促す。一歩間違えれば浅瀬でも溺れるから気をつけるに越したことはない。