11 I do not forget it
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翌朝、私達は宿を後にし神託の盾がいなくなった門を潜った。
「今の季節のフーブラス川の水流も穏やかで水嵩も高くありません」
「最短距離で突っ切れるね」
昨日、元帥の元に行った際にフーブラス川に架かっていた橋が濁流に流されて落ちてしまったと聞いた。だからカイツールに行くにはフーブラス川を直接、横断するしかない。
「アニスもその川を渡ったのか?大丈夫だったのかよ」
私たちの説明を聞いてルークがそう聞いてきた。ルークの問いに私とジェイドとイオンは互いに顔を合わせた。
「大丈夫ですよ。アニスですからね♪」
「ええ、アニスですから」
「アニスだしね」
意味ありげな笑みを浮かべるジェイド。にっこりと微笑むイオン。これまでのことを思い出して二人に頷く私。
「ふーん。ま、とにかくフーブラス川に行こうぜ」
聞いた張本人は特に興味がなかったのかどうでもいいっといった風に返事をして歩き出した。
「一体、アニスって何者なんだ……?」
「会えば分かるよ…たぶん」
ガイの最も疑問は宙に浮いたまま私たちはセントビナーを後にしてフーブラス川を渡るために南に向けて歩き出した。
「ここを越えればすぐ、キムラスカ領なんだよな」
初めて見る大きな川を見下ろしながらルークが言う。
「ああ、フーブラス川を渡って少し行くと、カイツールっていう砦がある。あの辺りは非武装地帯だから、神託の盾の連中も手は出せないだろう」
ガイが頷いて説明をするとルークは大きな息を吐いた。
「早く帰りてぇ……もういろんなことがめんどくせー」
「ご主人様、頑張るですの!元気出すですの!」
ルークの足元でぴょんぴょんと動き回るミュウをルークは「ウゼーから喋るな!」と言ってミュウの耳を思い切り引っ張る。